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善悪の屑 ネタバレ感想 渡邊ダイスケ 

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復讐屋の漫画「善悪の屑/渡邊ダイスケ作」は、実際にあった事件をモチーフにしている「正義とは何か」と問う作品です。

「善悪の屑」のネタバレ

うらぶれた「カモメ古書店」を訪れる客たち・・・そこを訪れるのは古本を求める客ではなく、「復讐」を求める人たちでした。

シングルマザーの女性は7年前、宅配便を装って家に入ってきた男にナイフをつきつけられます。そして男は、部屋にいた1歳半の息子を窓から放り投げて死亡させました。さらに腹を刺されて動けなくなった彼女を無理やり襲ったのです。

人とは思えないような鬼畜の所業・・・犯人は捕まりましたが当時、犯人はまだ未成年だったためたいした罪にはならずに去年出所していたのです。わたしの息子は死んだのに、獣のようなあの男がまだのうのうと生きているなんて許せない! 女性は刑事から聞いた噂を頼りに「復讐屋」に依頼をしにきたのです。

「復讐屋」を名乗るカモとトラ

古書店の経営をしながら、復讐の代行をするカモ(鴨丿目武)とトラ(島田虎信)は、依頼主の話を聞いて「引き受けるかどうかは気分次第」でやっています。「今でも夢の中であの子は泣き続けている」という女性の話を聞いて、ふたりは依頼を引き受けるのです。

カモよりやや感情的なトラは、依頼主の話を聞いて感情移入し、犯人にブレードで襲いかかります。けれどもカモは「俺たちは殺し屋ではなく、復讐屋だ」と言い切り、計画どおりに犯人を連れ去り、拷問にかけることにします。

目隠しをして丸裸にした犯人の局所をナイフで切り取るカモは、三国志の武将が自分の目玉を食べた逸話を持ちだして、犯人に自分のモノを食べさせます。冷静に見えたカモでしたが、彼もまた家族を憎むべき犯罪で奪われた過去があり、内心ではこうした「クズども」に腸が煮えくり返っていたのです。

復讐の意義とは?

復讐は何も生み出さない、というのは部外者の言うことで、愛するものを傷つけられて奪われた当事者にとっては一生許すことができない苦しみを抱え込まされ、復讐を果たさなければ前に進むこともできない・・・。

「善悪の屑」はそんな被害者たちの怨念を背負い、犯罪者に仕返しをしてくれる復讐屋の活躍が描かれ、過激な勧善懲悪が行われます。それを是とするか、非とするかは読む人の感性次第です。

また、法律によって加害者の人権やプライバシーばかりがやけに尊重され、被害者のそれはまったく無視される。踏みにじられた人たちに、正義は味方しないのか? そんな日本への警鐘も込められている作品だと感じました。

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