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夢やしきへようこそ ネタバレ感想 さちみりほ

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さちみりほ先生の温かい絵柄で描かれる、心優しいお化けたちの漫画「夢やしきへようこそ」は、読んだあときゅ〜っと心があたたかくなって、涙が出てくる作品です。

旅芸人の一座「夢やしき」

 

旅芸人たちが広げるお化け屋敷には、まるで本物としか思えないような妖怪たちばかりが出てきます。ろくろ首に蛇娘、かっぱに三つ目小僧となんでもござれ。旅芸人の一座で赤子の頃から養われてきた勇太は、市に買い出しに出ていました。

旅芸人の地位は低く、村人たちから白い目で見られることも。それでも勇太は気にせずに無視します。ある子供が「ほんまの妖怪やろ!」と言いがかりをつけてきて、勇太は「ただのからくりだ」と喧嘩をしてしまいますが・・・じつは、全部ホンモノだったのです。

お化け屋敷のからくりだとしてごまかしながら、妖怪たちは旅芸人になりすまして人間たちに紛れて生きていたのです。

村の子供になるか?

勇太の夢は、居場所のない妖怪たちのために偉くなって山を一つ買い、みんなが安心して暮らせる場所を手に入れること。

勇太は「夢やしき」の一座の中で唯一の人間でした。みんなで仲良く、肩を寄せ合うようにして生きてきた旅の妖怪たち。生き人形の市松は願掛けをして、「人間になりたい」と思っていました。人間になって、勇太のお嫁さんになりたい・・・そんな儚い願いをもっていたのです。

その後、妖怪の子供たちをいじめている村の子供たちをかばってくれた縁で杉作という少年と勇太は仲良くなります。杉作の母親は優しく、怪我をした勇太を家にあげて手当をしてくれました。

次第に村に馴染んでいく勇太を見て、兄さは「杉作の家の子になるか?」と尋ねます。彼らの記憶を操ることなど造作もないと・・・けれど勇太は首をふります。

勇太はじつは・・・

勇太を村の子供にとられる、と思った市松は子供たちがけしかけた犬を引き裂いてしまいます。妖怪の本性を現してしまった彼女を見て、村の子供たちは大騒ぎしてパニックになるのです。

そして杉作が魔除けの灰を市松にかけようとして、誤って勇太にかけてしまうと、勇太の姿が消えてしまいました。勇太はじつは、赤子の頃にとうに死んでおり、兄さの術で生き返った子供だったのです。

大好きな勇太を失った市松は、願掛けをして手に入れた人間の体を全部勇太にあげるから、生き返らせてほしいと兄さに願い出ます。

感動と涙の物語

何も悪さをしない妖怪たちが、山を追われて住処を失い、人間の世界でひっそりと隠れて逃げながら暮らしている。心優しい妖怪たちは、人間の子供が大好きで、拾った赤子の勇太をみんなでかわいがって育てていました。

市松が「うちの手あげる、足もあげる、ぜんぶあげるから」と泣いて勇太を生き返らせてほしいと頼むシーンで涙腺崩壊しました。

1話めだけじゃなく、なんでこんなに感動するお話が次から次へと作れるのだろう、と思えるほど泣けるお話がいっぱいで、さちみりほ先生のファンになった作品でした。

 

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