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修羅の棺 ネタバレ感想 長浜幸子

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長浜幸子先生のサスペンス漫画「修羅の棺」は、父親と婚約者を奪われて自らも暴行により男性機能をなくした主人公が「女」に生まれ変わり、復讐を果たすお話です。

「修羅の棺」ネタバレ

幸せの絶頂からどん底に

杉浦蒼星は同じ会社の浅野香流と婚約発表し、みんなから祝福されて幸せの絶頂にいました。半年後に結婚を控え、婚約パーティのあとに自宅に帰ると、そこには父・哲人の首吊り遺体が・・・蒼星は父が自殺するはずがない、と確信し警察に訴えかけますがとりあってもらえません。

葬儀の日、父と同じ大学の部活仲間だった外務大臣の奥津川貴大が弔問に訪れ、当時のワンダーフォーゲル部のメンバーたちもやってきました。昭和46年に尾木夫妻が殺害された事件に、父を含めた5人が関わっていたのです。

そして蒼星は、父が残したノートにかつての殺人事件についての詳細が書かれているのを見つけ、尾木夫妻の事件が原因で何者かに殺されたのでは、と推理します。

父の遺品を調べている蒼星のもとに、香流から「助けて」という電話が入り現場に向かうと、ボロボロに暴行された香流がそこにいました。そして犯人から「オヤジと同じ目にあいたくなきゃおとなしくしてるんだな」という警告電話をもらいます。

何としても真実を明かす、と蒼星は決意しますが拉致され、香流を暴行した犯人たちによって蒼星も暴行を受け、男性機能を失ってしまいます。そして香流が病室の窓から身投げして死んでしまった、と知ります。

修羅の女に生まれ変わった蒼星

1年後、「女」に生まれ変わった蒼星は「カオル」と名乗り、ひとりずつ婚約者と自分をこんな目にあわせた連中に復讐を果たしていきます。現場には父の趣味だった蝶の標本を残して・・・。

最後のひとり、黒石組組長の息子・黒石純映にニューハーフの美女として近づき、蒼星の容姿が純映の亡くなった母親そっくりだったために純映はとりこになります。

純映は赤ちゃん返りし、「ママ、僕を許して、おしおきして」と母親のふりをする蒼星に絶対服従し、蒼星はそれを利用して真犯人の情報を引き出します。そして「堀内のおじさん」がやれ、と命じたのだとわかるのです。

蒼星は父の死の実行犯だった純映に、濡れたロープで首を締めて復讐を果たしますが、真犯人である堀内への復讐、という新たな修羅の道が待っていました。

つぎなる復讐・堀内淳士

堀内淳士は芸能プロの社長で、父と同じ大学のワンダーフォーゲル部つながりの男。大の女好きで8回もの離婚を繰り返し、じつは蒼星の母親である百合子に惚れていました。

そして、掃除婦として潜り込んだ蒼星を見て、「生き写しだ」と一目惚れする堀内。まんまと餌に食らいついた堀内が金庫の中にあの事件の「血判状」を隠し持っていると知りますが・・・

まとめと感想

理由もわからないままに、数十年前の殺人事件のせいで父親と婚約者を失い、自らも「女」として生きるのを強いられる蒼星。

美貌を武器に、女として相手に近づいてひとりずつ復讐を果たす姿は「修羅」であり、物悲しくもあります。復讐が全て終わっても、愛する者たちは帰ってこない。

「復讐は何も生み出さない」とはいっても、彼にはもう復讐しか残っておらず、それが生きる原動力になってしまっています。

あらゆる手段を使って復讐を終えたあと、意外な結末が待っています。完全なハッピーエンド、ではありませんが、何もかも失ってしまったと思っていた蒼星にとって少しは救いがあるエンドではないかな・・・と思えました。

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