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宇宙を駆けるよだかのネタバレ考察 本当のヒロインはブスの然子

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川端志季先生の漫画「宇宙(そら)を駆けるよだか」の考察とネタバレです。

この漫画のテーマ「人にとって大事なのは、外見かそれとも中身なのか」ですが、本当のヒロインは体を乗っ取られた小日向あゆみではなく、デブスの海根然子であると考えます。

然子がこの物語の本当のヒロインである理由を説明します。

理由その1:タイトルが宮沢賢治の「よだかの星」オマージュだから

タイトルの「宇宙(そら)を駆けるよだか」を見て、「ああ、宮沢賢治の『よだかの星』からとったんだなあ」とピンと来た方も多いでしょう。

「実にみにくい鳥」と、ほかの鳥たちのみならず、醜いからという理由でミソッカス扱いされたよだかのお話です。

漫画を読んだあと、ひさしぶりに宮沢賢治の『よだかの星』を読んでみましたが、切ないお話ですね。良い行いをしても、醜いせいで犯罪者のように扱われ、追い払われる哀しいよだか。

鷹に名前を変えろ、と言われてダサい「市蔵」に変えられるのを拒み、これまで虫たちを捕食してきた行いを後悔して宇宙に向かってぐんぐんと昇り、体が燃えて星のようになってようやく、苦しみから逃れます。

周囲からブスだと冷たい扱いをされてきた然子は、「よだか」と同じです。何をしても嫌われるし、何もしていないのに馬鹿にされる。社会に適合することができない深い哀しみを抱えた「みにくい生き物」が、疎外される辛さと苦しみにどう決着をつけるのか。

よだかは命を捨てて「星」になることで救われましたが、然子は死ぬことで美人に入れ替わります。

理由その2:然子の家系に伝わる伝説

そもそも「入れ替わりの方法」は、赤月町でしか実行できない内容です。然子の父親は土地の神社の神主で、幼いころに然子は父親から子守唄のような形で伝説を受け継いでいたために入れ替わりを実行できたのです。

神社には入れ替わりについて書かれた巻物が納められており、大好きなしろちゃんを美人のあゆみにとられて人生に絶望した然子は「死んでもかまわない」気持ちで入れ替わりを行い、成功しました。

「入れ替わりの方法」は、然子の家系に伝わっていたからこそ始まったと言えます。

理由その3:然子の成長の物語

初回登場時の然子と、ラストの然子は別人のようにやわらかい印象に変わっています。美人、にはなれませんが「かわいい、キュート」と形容してもいいくらいに変化し、ひがみ根性を捨てて人としても成長しています。

あゆみは然子になったことでブスであることの大変さ、(何もしていなくても嫌われる・悪口を言われる)を体験して然子の苦しみをある程度まで理解できますが、もともと劣等感がなかったことと、イケメン二人に守られていたことでさほど精神的ダメージは受けていません。

一方、美人になったはずの然子は結局、しろちゃんにも愛されず(絶対に君を好きになることはないとキッパリふられた)、美人であることで得するような出来事もなく劣等感でいっぱいのまま。

つまり「心の中に汚れを抱えたまま」だった然子は、肉体を変えても状況をさほど変えられなかったのです。

そんな然子でしたが、あゆみたちが然子の孤独や苦しみをわかろうとしてくれたり、すべてを許して「友達になろう」と受け入れられたことで元の体に戻ることに同意しました。

「その体のほうが自分には合っているみたい」と。

まとめとおまけマンガ

おまけマンガではあゆみと友人になった然子が、ナンパ男からあゆみを守ってあげている様子が描かれており、すっかり外見に関するコンプレックスが解消されて「今の自分」を受け止めています。

ブスで醜いから忌み嫌われている、という自分自身への蔑みを捨てて、真っ白な心で生きられるようになった然子。彼女の成長があってこそ、「宇宙を駆けるよだか」は成り立つ物語でした。

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