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お父さん、チビがいなくなりました ネタバレ 西炯子

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西炯子さんの漫画「お父さん、チビがいなくなりました」は、よくある熟年夫婦の問題を取り扱った内容です。

定年退職してから旦那が家にいるようになり、子供たちも自立すると出てくる夫婦のあり方の問題。

家政婦のようにこまごまとした家事をするだけで、夫婦の会話もなし。

「わたしって、お父さんにとって何だったんだろう?」

結婚生活が長ければ長いほど、年を取った奥さんはそう思うわけです。

夫婦二人きりの生活に波風が立つまで

 

「お父さんと別れようと思うの」

66歳になる有喜子は、末娘の菜穂子に穏やかな表情で突然そう告げました。

結婚生活44年。おしどり夫婦ではないにしろ長年連れ添い、夫が「おーい」と言えば「はい」で通じる間柄。

夫・勝は70歳。お互いに残り少ない人生、このまま波風立たずに過ごしていくはずだったのに・・・

3人の子供たちが成長して巣立ったあと、静かすぎる家の中で有喜子は夫とコミュニケーションを取ろうと一生懸命に話しかけます。

夫婦ふたりきりで長野へ旅行に行きたい・・・手をつないだ仲のいい老夫婦と会ったことなど。

でも、勝はロクに返事もせずにしかめっつらで、有喜子が用意した食事を黙々と食べるか、テレビを見ているだけ。

有喜子の空回りしている気持ちの緩衝材になっているのは、飼い猫のチビで、勝に返事をしてもらえないときは「蓼科、いいねえチビ」と猫に話して受け止めてもらっていたのです。

そして、そのチビが家出をしてしまったことで夫婦の亀裂がより、深くなってしまったのです。

婚期を逃した独身の末娘の恋愛

 

この漫画は老夫婦の話を中心に回っていますが、裏で37歳・独身の末娘のエピソードが同時進行しています。

菜穂子は仕事ばかりで婚期を逃し、課長に昇進したものの、それが理由で彼氏にふられます。

たまに実家に顔を見せますが、うまくやっていたと思っていた両親が離婚の危機にあると知り、ショックを受けるのです。

 

彼にふられ、親は熟年離婚、チビが失踪・・・落ち込むこと続きの日々でしたが、職場の年下男性が妙に絡んできて・・・

「自分で結婚、遠ざけてんじゃないスか」

という身も蓋もない一言に、菜穂子はキレます。図星だっただけに、言われたくなかった言葉。

 

この後輩くん、言いたい放題ではありますが、じつは菜穂子にホの字。

菜穂子の気を引くために、あの手この手を使います。

菜穂子から父親の趣味が将棋であることを聞き出して、素知らぬ顔で将棋を指しに勝に会いにいくのです。

 

かつての「マドンナ」と焼けぼっくいに火がつく!?

 

有喜子の胸にはひとつ、しこりが残っていました。

結婚前、志津子という美人でマドンナ的存在の同僚と一緒にスタンドで働いていました。

勝は、毎朝そのスタンドにあんぱんと牛乳を買いに来ると、必ず志津子に話しかけるのです。

だから、有喜子はてっきり、勝が志津子に気があると思い込んでいました。

有喜子と勝はその後、お見合いで結婚。

「お父さんは本当は志津子さんのことが好きだったのに、お見合いで仕方なくわたしと結婚したのでは?」

という疑問を結婚生活の間、ずっと有喜子は抱いていたのでした。

そして44年も経った今になってから、夫を亡くした志津子と勝がこっそり喫茶店で待ち合わせするようになって・・・

44年越しの夫の「告白」

 

勝は不器用な男性なので、女性からみるとよくわからない行動をとってしまっていたのです。

じつは若かった勝が「好き」だった女性は、まぎれもなく有喜子。

有喜子を見ると心臓がバクバクしてまともに顔を見られなかったため、勝は志津子からパンを買っていたのでした。

つまり、

勝:有喜子が好きで毎朝スタンドに通い詰めるものの、照れくさくて話しかけられないから志津子に話しかけた。見合い相手が有喜子だと知って、内心大喜びした。

有喜子:勝がいつも志津子からパンを買うので、美人の志津子のことが好きだと思い込んでいた。結婚後も、志津子の存在に嫉妬していた。

 

すれ違った思いを抱えながら、お見合いで流されるように結婚したため、お互いに一度も「好き」と言ったことがなかったのです。

チビの家出がきっかけで、とうとう「離婚してください」と有喜子から告げられた勝は、44年越しの『告白』をすることになります。

熟年になって、二度目の花火。

じ〜ん、とくる熟年夫婦のいい漫画でした。

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