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「累-かさね-」ネタバレ感想 松浦だるま

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松浦だるま先生の漫画「累-かさね-」はマンガ大賞にもノミネートされた作品。

ふためと見られないほど醜い少女・淵累が大女優だった美しい亡き母親に憧れ、母の残した口紅で「他人の美しさ」を盗み、女優を目指すお話です。

「累-かさね-」ネタバレ

淵累(ふち かさね)は誰よりも醜い顔の少女で、クラスメイトからも激しいいじめにあっていました。母親は伝説の大女優と言われた美貌の淵透世で、今は亡き母とは似ても似つかない容貌。

クラスの学芸会でシンデレラの劇をすることになり、意地悪な美少女・イチカは累をいじめるためにわざと主役にさせます。容姿はともかくとして、意外と演技のうまかった累を見て、イチカは「具合が悪い生徒がいる」と嘘をついて劇の途中で累を主役からおろそうとします。

いくら努力しても、この顔では母の娘であることを証明できない。累は亡き母の言葉を思い出します。

『本当に辛い時は、ママの赤い口紅を使いなさい』と、形見の口紅を塗って、累がほしいもの・・・つまり、『美貌』を持つものにくちづけると、その女の顔を奪い取ることができたのです。

イチカの顔を奪い取り、イチカには累の醜い顔が移っていました。顔が入れ替わった累は舞台に戻り、その美しさと演技力でみんなから賞賛を受けます。そして母もまた、自分のように誰かの顔を奪ってあの美しい顔を手に入れたのだ、と気づきます。

美しくなるだけで、こうも世界は違って見える。みにくいものはきたない。それゆえに、誰も私を愛してはくれない。累は母の幻影に『顔も愛も奪い取ってやりなさい』と背中を押され、美しい女の顔を奪い、演劇の世界で母と同じ女優になりたいと願います。

そして次に「ほしい顔」を持っていたのは明るく美しい演劇部部長・五十嵐郁でした。

「累-かさね-」の感想

まるで口裂け女のような顔をしていたがために、周囲から「化け物、ブス」と蔑まれ、嫌われて生きてきた累。美少女たちがなんなく光を浴びて輝くような人生を歩んでいる脇で、自己嫌悪と劣等感にさいなまれる日々を送ってきました。

累に唯一やさしくしてくれた五十嵐郁に対しても、あまりにも彼女がまぶしく、美しさゆえの自信と優越感から明るくふるまえるのだ、と累は彼女の顔と役を奪い、舞台で大絶賛を得ます。

美しい顔で賞賛を浴びる世界の明るさを知り、もう戻れない累。そして羽生田という演出家が現れて、母から累に美少女の役を与えるように頼まれた、と告げます。そして母の秘密を知っている人間であるとも。

奈落の底からスポットライトの下へ導かれていく累は、『淵透世』によく似た顔と演技力で大女優への階段を登り始めますが、彼女の秘密を知っていて復讐をしようとする野菊との戦いが見ものです。

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