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「彼らの犯罪」ネタバレ感想 樹村みのり

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樹村みのり作の漫画「彼らの犯罪」は、かつてワイドショーを騒がせたあの事件――1989年の「女子高生コンクリート詰め殺人事件」を題材に、少年による凶悪犯罪の酷さと傍聴席から見た、事件の全容についてかかれた作品です。

「彼らの犯罪」のネタバレ

事件が起こったのは、1988年11月25日のこと。当時まだ未成年だった十代の少年4人が、通りすがりの女子高生をさらって監禁し、40日間にわたって暴力をふるった末、少女が死亡すると遺体をドラム缶にコンクリート詰めにして埋立地に放棄する、という世にも残虐な事件だったのです。

その後、事件は明らかになり、まだ十代の少年たちによる犯行として世間は騒然となりました。テレビや新聞で注目を集めたため、裁判所では一般の傍聴席が希望者多数で抽選となるほどでした。

傍聴席のくじ引きで外れてしまった望月ヒロコと末永沙恵子は、ハズレ組同士でお茶をしにいきます。ヒロコは定時制高校の保健体育の教師で、沙恵子は小さな出版社勤めです。

ヒロコはもともと、傍聴が目的ではなく、裁判の記事を読んで憤ったために犯人たちに「卑怯者!」と言いたかっただけだと言います。沙恵子もまた、いろいろ読んで居ても立ってもいられない気持ちになってやってきたのです。二人は連作先を交換し、再会を約束します。

傍聴券を手に入れたふたり

ヒロコと沙恵子は、次回の裁判でうまく傍聴券に当たりました。そこで「女性への差別に行動を起こす会」のメンバーたちと知り合います。性的暴行を受けた被害者の裁判に、女性の傍聴者を多く送り込むためにやってきたのです。

未成年者であっても、被害者は名前と顔写真がマスコミに発表されるのに、加害者の情報だけが伏せられるのはひどい!と憤りを表す女性。ほかにも、法科大の学生やルポライター、編集者などさまざまな立場の人たちが傍聴席に集まります。

その日は、事件の主犯である東野被告への審問でした。彼は淡々と、自分の犯行を話します。被害者の花田さんを「お前は狙われているからかくまってやる」と嘘をついて隠れ家へついてこさせ、そこで4人で彼女を襲い、彼女がその後警察に通報したのを発見してリンチしたことなど、洗いざらい話します。ヒロコと沙恵子はそれを聞いて・・・

恐るべき凶悪犯罪と裁判の行方

「女子高生コンクリート詰め殺人事件」は、「17歳」という漫画でも克明に事件の生々しさを描いていますが、この作品はどちらかと言うと、客観的な「裁判での傍聴者」という視点から事件を探る内容になっています。

「17歳」は少々リアルでエグすぎる内容だったので、そういうのが苦手な方はこちらのほうが読みやすいと思います。なぜ、これほど残虐な事件が少年たちの手によって起こされたのか、そしてその事件を知った人々は何を感じたのか・・・傍聴席から見えた事件の真実が描かれます。

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