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「いぬやしき」ネタバレ感想 奥浩哉

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奥浩哉先生の漫画「いぬやしき」は、冴えない58歳のサラリーマン・犬屋敷が、胃がんで余命宣告を受けたあと、地球外生物のせいで体を改造されて強大な力を手に入れるお話です。

「いぬやしき」ネタバレ

新築の一軒家を手に入れる

犬屋敷壱郎はどこにでもいる冴えないサラリーマン、58歳ですが見た目は年齢よりもふけており、家を建てます。そうはいっても、豪邸の陰に立つ小さな家。それでも、毎日満員電車に揺られて数十年かけてためたお金で手に入れた、マイホームでした。

娘と息子は情けない父親を軽蔑しており、妻からも粗雑に扱われています。荷解きをしようとしても家族は協力せず、犬屋敷ひとりでせっせと片付け、「犬を飼おう」と提案してものってきません。「家の中がくさくなる」とブーイングです。

情けない父親の姿

動物愛護センターで見つけた犬は、かわいらしい子犬ではなく成犬のはな子。はな子を連れた散歩先のコンビニで、不良たちが店員に絡んでいるのを見て怒りにふるえても、結局何もできない自分。道端でカツアゲされている男性を見ても、見て見ぬふりしかできない。

そこに息子もいて、そんな情けない自分を見ていました。警察に電話しよう、という犬屋敷に息子は「期待していないよ強い親父とか。どーせ何もできないんだし」と、あきらめをもって、穴の中に隠れて怯えてやり過ごせばいいんだよ、と言います。

正義感はあっても、力はない。そんな惨めな父の姿を見せてしまい、犬屋敷は自己嫌悪に陥っていました。

余命三ヶ月宣告

犬屋敷は引っ越ししてきてから、体調がおかしいと感じていました。健康診断で「再検査が必要」という通知を受け取り、病院へ行くと医者から「かわいそうに、胃がんだね」と余命三ヶ月だと宣告されてしまうのです。

家族に電話しても、誰にもつながりません。娘は「うぜー」と着信を無視して、息子もさっと携帯をしまいます。そしてひとり、公園でしのび泣く犬屋敷・・・。自宅に帰っても、とてもそのことを話せるような雰囲気ではなく、結局、胃がんのことは家族には話せませんでした。

未知との遭遇

はな子をつれてふらふらと散歩しながら、犬屋敷は「自分が余命わずかだと知れば、家族は泣いてくれるのだろうか」と自問自答し、たまらなくなって駆け出してしまいます。誰もいない野原で声をあげて、はな子を抱きしめて泣く犬屋敷。

ふと、隣に若い男が立っているのに気づき、空から光がふりそそぎ、彼らを直撃します。その事故で、犬屋敷の肉体は死亡してしまいました。ところが、それは宇宙人による事故であり、地球の生物を死なせてしまったことを隠したい宇宙人は犬屋敷を機械の体にして蘇らせてしまいます。

見た目はどこも生前と変わらず、心も記憶もそのまま。しかし、危機になる頭がぱっくりと割れて兵器化したり、宇宙のテクノロジーを搭載した体になっており、「圧倒的な力」を手にします。

犬屋敷はかねてから止めたいと思っていた不良たちの横暴からその力で弱者を助け、「人助け」に目覚めて良いほうにその力を使おうとしますが・・・

「いぬやしき」感想

おどおどとした、老けたおじいちゃんに見える弱々しいサラリーマン・犬屋敷が、宇宙人の気まぐれで全身サイボーグになって蘇るという、おじいちゃんが主人公の珍しい漫画。

生前は何もできない、暴力に怯えて妻子から馬鹿にされているだけの情けない父親だったのに、力を手にしたことで望めばどんなことでもできるようになり、人助けをするうちに貫禄のようなものも出てきます。いつもプルプル震えて汗をかいていたのに、表情も自信に満ちてきます。

そんなわけで無敵の無双になる犬屋敷ですが、野原に一緒にいた青年・獅子神もまた、自分と同じように機械で再生されており、同等の能力をもっています。違うのは、彼がその力を悪用して人々を傷つけようとしていること。

人を助けることで生きる意味を見出した犬屋敷と、正反対に人をあやめることで自分の存在を誇示する獅子神。犬屋敷が彼の暴走を止められるのかが見どころです。

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