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「イノサン」ネタバレ 坂本眞一

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坂本眞一先生による、フランス革命の処刑人の漫画「イノサン」は「自由と平等」を守るために代々王家から処刑人の仕事を任されてきた家系に生まれたシャルル-アンリ・サンソンの苦悩と、誰もが畏怖する死刑執行人になるまでが描かれています。

「イノサン」ネタバレ

18世紀のフランスでは、自由・平等・博愛の精神にもとづいた革命が行われ、現代社会の民主主義の土壌を生み出した歴史的経緯がありました。

一方で、革命を推進するためにには「ギロチン」という血の代償をもってして贖わなければならず、その汚れ役を一手に引き受けているサンソン家がありました。主人公・シャルル-アンリ・サンソンは「死神」と恐れられている処刑人の父の息子であることを理由に、学校でもいじめられてすっかり暗い性格になっていました。

道を歩けば不吉な悪魔だと罵られ、学校からも追い出されてしまいます。フランス全土の処刑人の頭領・ムッシュー・ド・パリの息子であることは誰からも忌み嫌われることを意味していたのです。

家業を忌み嫌うシャルル

シャルルは家族の食卓で、学校も家庭教師ももう嫌だ、と告げます。この家に生まれた人間は、ずべての人たちから軽蔑され、死肉に群がるハエのように忌み嫌われるのだと言います。汚れた家業にはうんざりしている、と。

それを聞いた祖母は「あなたが次のムッシュー・ド・パリになりなさい」と、父に同行してサンソン家の当主見習いになるよう命じます。家庭の中で絶対的な権力をもつ祖母には、父も逆らえません。父であるバチストに、7歳のときから生皮を剥がせた鉄の心臓を持つ女性でした。

家業は国王陛下から委任を受けた名誉ある職業であり、これは正義の剣でもあるというのです。罪を罰することで人々に秩序をもたらす仕事だと言います。そして家業を継ぐのは嫌だ!と叫ぶシャルルは父によって拷問部屋へ・・・

「イノサン」の感想

本来は心優しく、人を傷つけるような仕事などしたくないと思っていたシャルル-アンリ・サンソン。「処刑人になんかなりたくない」という願いもむなしく、父に導かれるままに処刑人の頭領としての道を歩みはじめます。

何者もおのが運命からは逃れられない・・・そう悟ったシャルルの哀しみが胸にせまります。苦しく過酷な処刑人としての使命を果たしながらも、「死神」とののしられる呪われた人生の中で、死刑を世界からなくしたいとひそかに考えるようになります。

華々しいロココのフランスと革命の裏で、闇を引き受けて生きたシャルルはそれでも「無垢」であったのでしょう。美しさと残酷さが交差する物語でした。

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