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漫画「エマージング」ネタバレ感想 外薗昌也 

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外薗昌也先生の漫画「エマージング」は、バイオハザード的に感染爆発が起こり、日本で未知の出血熱が発生して大混乱に陥る怖いお話です。

「エマージング」ネタバレ

ペイシェント・ゼロ

女子高生の岬あかりは無口で不器用な彼氏・大島とつきあっており、毎日手作り弁当を届けていました。照れのあまりに「う〜っ、うー」しかいえない大島の言いたいことを全部わかってあげられるあかり。見るからに相思相愛の幸せなカップルです。

一方、ある会社のサラリーマンが充血した目、むくんだ体で咳き込み、体調を悪くして早退します。人混みの中、ふらふらと歩きまわる男と、あかりと友達たちがスレ違います。

男は道でいきなり体中の穴という穴から大出血し、あかりはもろにその血を浴びてしまったのです。しかも、朝にお弁当をつくっていて怪我をした指先には、男の血がべっとりとついていました。

未知の感染症

あかりの幼なじみである医者の小野寺が、警察から病理検査の要請を受けます。怪死したある男の解剖をしてほしいと依頼されますが、警察であかりとバッタリ会い、驚きます。あかりは怪死した男の目撃者として来ていたのです。

「被害者が死ぬ直前にふくらんだ」とあかりは証言しており、交差点の群衆の中で突然、血を吐きながら失血死した、と小野寺は聞きます。小野寺が遺体を確認すると、異様にふくらんだ全身、溶け出しそうな眼球、と死後数時間とは思われないような状態です。

メスを入れようとしたその瞬間、防護服をきた同僚の関口が止め、液状化した体組織に特殊な器具を入れて処置します。「メスなどを使ったら、危険な血液を全身に浴びる」と警告する関口に、小野寺は致死性病原体による感染症だ、と気づきます。

日本初のエマージングウイルス

遺体から生体標本を採取するために防護服を着て仕事をする小野寺でしたが、致死性ウイルスの脅威に対して手が震えてしまい、手袋を切ってしまいます。「感染したかもしれない」頭が真っ白になってパニック寸前だった小野寺は、関口の冷静な対処によりなんとか危機をくぐりぬけます。

関口はこの感染症を「出血熱」だと考えていました。眼球を好むウイルスは真っ先に人の目を攻撃し、体内は溶けて炸裂し、周囲に血しぶきをまきちらす、という凶悪なウイルス。

日本で唯一の対感染症の砦・国立伝染病研究所・BL4研究施設に行くふたり。施設で採取したサンプルを検査すると、エボラでもマールブルグでもないとわかりますが、それは安心できる結果ではありませんでした。むしろ、最悪。

過去に存在するどのウイルスにも該当しない、新型ウイルス。つまり、「日本初のエマージングウイルス」が誕生した、というのです。

あかりが感染してしまう

人類が初めて遭遇した未知のウイルス。全身に血を浴びていたあかりはとうとう、発症してしまいます。あかりを看病していた母親も感染し、血液による接触感染か、それとも空気感染かすらわかりません。

感染力、潜伏期間、初期症状、すべてが謎であり、治療法すらわからない。それが新型ウイルスの恐ろしさでした。そしてあかりだけではなく、最初に死んだ男の血を浴びた人たちが、続々と感染していたのです。

感想。感染パニックの恐怖!

日本発のエマージングウイルス・出血熱。突如としてアウトブレイクしてしまったウイルスにパニックに陥る人々と、ウイルスの正体をなんとか究明しようとする者、そして感染者を助けようとする主人公の姿。

エボラに近い症状で、リチャード・プレストンの「ホット・ゾーン」を思い出さずにはいられませんでした。致死率90%の未知のウイルスの脅威におびやかされる人類、見えない敵に対して理性をもって戦おうとする研究者たちの必死な姿に、手に汗を握ってしまいます。

ウイルスの正体をつきとめ、収束したとしてもそれは終わりではなく、いつまた「彼ら」はやってくるかもしれない。そんなリアルな恐怖が描かれているウイルスパニック漫画でした。

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