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ダンボールで育った少女のネタバレと感想・結末 真田魔里子作

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真田魔里子作の虐待された子供たちを描いた短編マンガ集「ダンボールで育った少女」は、その衝撃的なテーマゆえに、たくさんの方たちから反響がある漫画です。

『同じ母親として子供にイライラして当たってしまう自分が、いくつかの点で似ていて共感した』

『試し読みの続きが気になって読んだ。どの話も胸に迫ってきて、考えさせられた』

『短編なので中途半端なところはあるが、テーマが濃い。虐待された子は自分を守るために現実を夢だと思うようになるし、普通に笑ったり泣いたりできるようになるまで、並大抵のことではない』

こんなレビューが寄せられており、核心をついたストーリーで人を惹きつける内容です。

ダンボールで育った少女のあらすじ

家賃を滞納して消えてしまった若夫婦の部屋に立ち入った大家が、部屋の中にあるダンボール箱に少女が入っているのを発見する。ネグレクトされ、栄養失調で病気になりながらもかろうじて少女・鹿島沙羅は生きており、手当を受けたあとは児童養護施設にて保護される。

沙羅は体も心もボロボロで、心をすっかり閉ざしており、誰が話しかけても反応しない。さらに長い間しつけも食べ物も与えられなかったため、隣の子の食事を食べてしまったり、そのままお腹を壊して垂れ流してしまう。そのため、担当したベテラン先生もこの子の面倒は無理だと見放してしまう。

だが新人先生の夏美だけは、沙羅に話しかける。反応はないが、沙羅ちゃん、と名前を呼びかけるごとに沙羅の胸の中に夏美先生の存在が大きくなっていく。ある日夏美先生は沙羅を外へ連れ出すが・・・。

ネグレクトからの回復

この漫画のテーマは、親から育児放棄されて心身ともに傷ついたひとりの少女が、ネグレクトから回復することです。親の愛情を受けられないままに育ち、虐待されてきた子供は自分を守るために外界と自分の感覚を切り離してしまいます。

作中の沙羅は誰に対しても無反応でしたが、これは彼女が段ボール箱の中の暗闇で自分の意識を守るために心を閉ざしてしまったがための反応であると言えます。沙羅にはちゃんと見えて聞こえていますが、現実に反応してしまうことで以前のように悪夢のような現実と向き合わなければならない、というトラウマがあったのでしょう。

誰からも見捨てられていた存在であるがゆえの防衛本能と言えますが、そこから心を回復させていったのは、愛情と優しさでした。沙羅がネグレクトから回復の兆しを見せたのは、ひとりの若い先生の「沙羅ちゃんに何かしてあげたい」という情熱が起こした奇跡であると言えます。

なお、この短編漫画のほかには「きょうだい児」「こんなはずじゃなかった」「二人目の子供」という作品も収録されています。

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