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漫画「シーラカンス」ネタバレ感想 全2巻完結 霜月かよ子

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霜月かよ子先生のミステリー漫画「シーラカンス」は、高校の先生が殺害されたことをきっかけに過去の殺人事件が浮かび上がってくるサスペンスです。

「シーラカンス」ネタバレ

数学教師の殺害事件

女子高生・里見久乃の学校で数学担当だった茂木万作先生が亡くなった、という全校集会が行われました。

校長先生によると、何らかの事件に巻き込まれて殺害された可能性が高い、ということ。まだ29歳の若さで非常に真面目だった、という校長の言葉を聞いて、生徒の何人かは涙を流します。

刑事の聞き込みと妄想の「羊」

久乃にとって、先生の死はなんの感慨もなく、涙が出てきませんが心の中に住み着いている「羊」が「冷たい女、あれー泣かないんですか、あなた?みんな泣いてる。おまえは感情に乏しいからな」と煽ってくる。

学級委員だった久乃は、小原健太郎とともに教師たちに呼び出され、刑事の事情聴取を受ける。先生の人となりを教えて欲しい、という刑事に健太郎は先生は狙われるようなタイプじゃないし、怨恨だろうかと尋ねる。

先生はみんなから「モギマン」とあだ名されており、久乃はモギマンがあまり好きじゃなかったと話す。

するとすかさず「羊」が現れて「ほらまた、空気読めない発言して。ひどいなあ、死者に鞭打つ発言して」と煽ってくる。

10年前の心中ガス爆発事故

健太郎が自分も特に好きじゃなかった、とフォローをいれてくれたおかげで刑事たちから怪しまれることもなかった。事情聴取が終わったあと、健太郎はみんなその場の雰囲気に流されて泣いただけで、おれは泣けねえから冷めてるとか思われている、と話す。

そして過去にモギマンに没収されたMDを取り返すために、わざと刑事にぶつかって盗み出した。健太郎の荷物の中から見えた雑誌には、心中事件でアパートごとカス爆発した瞬間が映し出されていた。

その写真は、健太郎の叔父が撮ったという。久乃は健太郎に「この女の子、わたしなの」と幼稚園児の女の子が火事で爆発したアパート前で母親に抱きしめられた瞬間の写真を指差す。

事故のあと、母親は交通事故で死に、父親が再婚後に亡くなり、久乃は再婚した義理の母の家庭で暮らす、という複雑な家庭環境だった。

事故の直前に泣いていた少年が記憶の底から浮かび上がり、10年前の心中爆発事故と関わりのある青年・柳雪成と巡り合い、現在の事件へとつながっていく。

「シーラカンス」感想

久乃は一見、電波系には見えないしっかりした少女ですが妄想の「羊」としばしば会話しており、心の中に問題を抱えています。

幼いころに心中事件で見た、少年が落としたコンパクトのかけらをずっと持ち続けていたヒロイン。火事から守ってくれた大事なお守りと信じていましたが・・・

そして雪の降る日に成長したその少年とおぼしき男性ーー柳雪成がやってきて「ひょっとしてあの事件の犯人は彼ではないのか」という疑念がわいてきます。そして、数学教師につちては真面目だった、というのは表の顔で、裏であれこれやっていたことがわかってきます。

独特の沈んだような繊細なストーリー運びで、犯人は誰だろうというミステリーよりも久乃と雪成が、これからどんな人生を送っていくのだろう、ということのほうが気になるお話でした。

全2巻なので、事件解決はわりとあっさりしており、その辺がちょっともったいない感がありました。でも全体的によかったです。

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