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美醜の大地〜復讐のために顔を捨てた女〜第一巻 ネタバレ感想


漫画「美醜の大地〜復讐のために顔を捨てた女〜」藤森治見作。

醜い容姿に生まれた女がいじめの末に、最愛の母と弟まで奪われて復讐を誓う物語。

整形によって美しい女に生まれ変わり、かつての同級生たちに近づいてひとりずつ地獄の底へ叩き落とす。最終目標は、いじめのリーダー格であり、大会社の令嬢・高島津絢子。しかし、絢子もまた、一筋縄ではいかない人間で・・・

1話「泥棒女」のあらすじ

学校でのひどいいじめ

醜く生まれるということは罪なのか・・・市村ハナは醜い顔をしており、幼いころから周囲のいじめの対象でした。昭和2年に樺太で生まれ、学校では大会社の一族の社長令嬢・高島津絢子に目をつけられ、彼女の取り巻きの女子グループに激しいいじめを受けます。

冷ややかで冷酷な絢子は、グループの中にいじめを指示して、自らは手を汚さずにハナがいじめられている姿を眺めていました。

「ねえ敏恵、食べさせてあげたら?」

絢子が一言、そう言うだけで女子たちはミミズを箸でつまんでハナに食べさせようとします。靴を盗まれ、飼育小屋の掃除の担当で清掃に行くと、そこにはうさぎの血まみれの靴が残されており、こんないじめが日常茶飯事になっていたのです。

どろぼう扱いされ、学校をやめさせられる

「おまえが盗んだんだろう!」教師たちに責められるハナには、まったく身に覚えのない盗みの罪を着せられ「そんなことをしていません」と否定しても誰も信じてくれないのでした。

女子グループたちはハナを見てニヤニヤ笑い、絢子は追い詰められるハナを冷然と見つめているだけ。思い切ってハナが「わたしはあの人たちにいじめられているんです!だから、これはあの人たちが!」と教師にいじめを訴えても、ブスだからという理由で信じてもらません。

それどころか、なんと浅ましい性根をしているのだと言われ殴られたうえ、即日退学させられてしまったのです。

ソ連軍の襲撃と引揚船

みじめな気持ちで帰宅したハナは、今日あった出来事を母親に話し、せっかく苦労して学校へあげてくれたのにごめんなさい、と謝ります。

やさしいお母さんは傷ついたハナを慰め、母の愛に包まれるハナでしたが、終戦を告げる玉音放送が流れて樺太がソ連領になってしまいます。それとともに、ソ連軍が民間人を空爆しはじめ、ハナたちは北海道へ逃げるために港で引揚船に乗り込みます。

泥棒あつかいで船をおろされる

逃げる人々でギュウギュウ詰めの船内で、運悪くハナは絢子とその一党と出会ってしまいます。

「みんなみて。泥棒が乗ってきたわ」

絢子のその言葉に、「大変、泥棒女だわ!」「学校で盗難事件を起こした子よ!」「貴重品がとられちゃうかも」と女子グループが騒ぎ立て、貴重な財産をもって逃げ出してきた人々は、泥棒と一緒に船になんか乗れないと、ハナと母親と弟に「出て行け、盗人!」と石をぶつけて追い出してしまいます。

無情な人々に船をおろされ、自分のせいでこうなったと泣くハナ。翌日やってきた引揚船には乗れたものの、本土を目の前にソ連軍の砲撃で船が沈んでしまったのです。

最愛の母と弟の死

母は爆撃ですでに死亡しており、そのまま海の底に沈んでいくのを、ハナは見ているしかできませんでした。

せめて弟だけでも助けなければ、と必死に留吉を抱きながら泳ぎ、岸辺にたどりついたものの、水を飲んでいた弟は助かりませんでした。

「醜い」ただそれだけの理由で、人非人扱いされ、あまつさえ大切な家族を奪われたハナは、絢子とその一党を絶対に許さない、地獄の底に叩き落とす、と誓います。

別人に生まれ変わったハナ

復讐をするためにまずハナは身売りして金を貯め、闇市の商人から聞いた天才整形外科医に会い、別人に生まれ変わりたいと頼みます。

外科医はドイツ帰りの腕利きで、金のために仕事を引き受けず、手術を受ける動機次第で引き受けると言います。そしてハナの身の上話を聞き、すべてを忘れて前向きに生きるという選択肢も捨てたハナには復讐しか残されていないと知ります。

「気に入った。君の望むとおりにしてやろう」

復讐に生きるハナのため、美しい女の顔を与えた外科医は、ハナの生まれ変わった誕生日プレゼントに「仮面」をくれます。醜い「ハナ」の仮面を・・・

小石川 菜穂子として旅館に潜入

別人となったハナは小石川 菜穂子と名前を変えて、いじめた女のひとりである敏恵が若女将としてふるまっている旅館の中居になります。

人目を引くような美人で、気が利く働き者の菜穂子はすぐに人気者になり、敏恵の夫ですら彼女に惹かれるようになってしまいます。今までは自分こそが主役だったのに、菜穂子のせいで不幸になってしまう、とあせる敏恵。

そして、過去に自分がハナに対して行ったいじめと同じ事件が起こり、敏恵はイライラして菜穂子のせいだと当たり、傍目にはヒステリックな女にしか見えなくなっていきます。

ハナの復讐に怯えるいじめっ子

海に沈んで死んだはずのハナの亡霊が現れ、すべてがハナの復讐に違いない、とますます菜穂子に八つ当たりし、大げさに騒ぎ立てる敏恵。いつしか、敏恵の夫は菜穂子のほうが好きになり、見合いで結婚したときも乗り気じゃなかった、と冷たくなってしまいます。

あいつのせいで私は不幸になる、と敏恵は菜穂子を追い出すために、客の貴重品を盗んで菜穂子のせいにしようとしましたが、盗んだ現場をみんなに見られ、夫にも愛想をつかされ「出て行け」と言われます。

そしてハナの幻が見えた敏恵は、大声でわめきたて旅館を飛び出してしまい・・・

1話「泥棒女」の感想とまとめ

誰よりも醜かったハナは、整形後、誰よりも美しい女・菜穂子に変身してしまいました。けれども菜穂子となったあとも、「ハナ」の仮面は捨てずに美醜を使い分けていじめっ子を追い詰め、一生消えない傷をその心と身体に刻み込みます。

第一の復讐相手・敏恵は、絢子に指示されて積極的にハナをいじめていた女でした。もともと根性が悪かったこともあり、大人になって若女将として幸せでいたのに醜い性根をさらして墓穴を掘ります。

盗みの現場を従業員に見られ、夫にも見捨てられて半分狂ってしまいます。もちろん、この復讐は手始めで、ハナの一番の狙いはいじめの首謀者である絢子本人です。つぎつぎに地獄へ送られるいじめっ子たち。ハナの復讐物語にゾクッとしながらも、目が離せません。