おすすめ漫画

あとかたの街 ネタバレと感想 おざわゆき 全5巻完結

投稿日:


おざわゆき先生のご家族の体験をベースにした、戦争時代に生きた女の子の日常を描いた漫画「あとかたの街」のネタバレと感想です。

敗戦が近づくにつれて、苦しくなっていく生活、そしてお国のために差し出すものがないと「非国民」と言われてしまう空気。少女が見た「戦争」とは?

「あとかたの街」のネタバレ

 

昭和19年の春、太平洋戦争末期に「一億総火の玉」と叫ばれていたころ、名古屋で生まれ育った木村家次女・あいは12歳で国民学校高等科1年生でした。戦時中とあって、物資が手に入りにくく、配給も少なくなってきており、卵すら「ごちそう」なご時世でした。空腹のあいが毎日考えるのは、食べ物のことばかり。

父親は警防団の団員で、しつけにも厳しい家庭。食事中によそ見をしてはいけないし、おしゃべりしてもいけない。お父さんが出勤するときは一家総出で玄関で三つ指ついてお見送りする、という習慣。

貴重品の卵が手に入り、一家の大黒柱であるお父さんが卵焼きを食べるのを、うらやましそうにながめる娘達。はしたないとわかっていても、育ち盛りの娘三人はよだれを垂らしてのぞき見してしまいます。

「いじきたないマネするんじゃない!」とお父さんは叱ったものの、わざと卵焼きを残して食べさせてくれたのでした。

あいの通っている国民学校高等学校は、健全な少国民を育成し、お国に奉公できる学徒を育てることを目的としており、グラウンドで畑作業をして食糧増産を手伝ったり、竹槍の訓練をするなど勉学とは縁がありません。

お金のある生徒であれば女学校に進学できましたが、あいの家庭は何も出せないために貧乏人が行けるところを選ぶしかなかったのです。初等科のときに仲良しだった女友達は女学校へ行ったために、今では彼女たちと顔を合わせないようにコソコソと通う毎日。

ある日、あいは近所の波多野さんの甥っ子である猿渡洋三と出会います。幼い子どもたちと「戦争ごっこ」をして遊んでいましたが、話を聞くとみんなの父親は戦死していました。その話を聞いて、「日本を守る人がどんどん少なくなっていっている」とゾッとしてしまうあい。

あいの家は男の子がおらず、娘三人しかいないために兵隊を出せず、ご近所たちからも白い目で見られます。「女の子ばっかりは恥ずかしいの?」と、お国のために働けず無駄メシ食いの役立たずだとあいは泣きますが、お母さんは何も言わずに頬に触れます。

やがて学童疎開で末の妹のときが岐阜へ行くことになり、家族が欠けてしまう悲しみにあいはどうしようもなく悲しくなり・・・

 

感想

 

まだ12歳なのに「お国のため」と言われて畑仕事をさせられたり、学徒動員で工場で一日中作業をさせられたりと、子供まで動員しなければやっていけない国の状態があいの生活から透けて見えました。

そして名古屋には飛行機や兵器の工場があったため、敵機に狙われて空襲で焼け出されます。あいの家も空襲で焼けてしまい、生き延びるために親戚のいる土地へ疎開しますが、厄介者として扱われてつらい思いをします。

戦争を知っている方の実体験を元に構成されているので、当時の雰囲気の生々しさが伝わってきました。物資が圧倒的に不足しているので、家にあるものは徹底的につぎはぎして再利用しています。着物が学校用のかばんになったり、布団の袋になったりと昔の人が物を大事にするのはこうした時代を経験していたからだろうなあ、と感じました。

-おすすめ漫画
-

Copyright© ナナイロノウミ , 2018 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.