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「穴殺人」ネタバレ感想 裸村

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裸村先生の漫画「穴殺人」は、見た目は清楚で綺麗な女子大生・宮市莉央が、じつは猟奇殺人犯であると知りつつ恋をしてしまった、自殺願望がある引きこもりニートの愛と死のお話です。

「穴殺人」ネタバレ

覗き穴から見えた殺人

成績トップだった学生・黒須越朗が、大学に二浪して予備校もやめ、両親から仕送りも止まって引きこもりのニート生活をしており、とうとうお金が底をついて自殺を考えます。壁に貼り付けた金具にベルトを巻きつけ、首を吊ろうとするも、重みに耐え切れずに壁ごと剥がれて失敗。

剥がれた壁には小さな穴ができてしまい、そこをのぞくと綺麗な女の子が一人暮らしをしているのが見えます。死のうとまで思っていたのに、彼女の私生活をのぞくのが生きがいになり、思いとどまったのです。

ある夜、彼女は部屋の中で男に襲われそうになっていました。どうにかしなくちゃ、と焦る黒須でしたが、なんと彼女はカッターナイフを取り出し、男ののどを引き裂いてしまいます。

殺人の現場を見て気絶した黒須は、彼女の部屋の前をうろついて中に招き入れられます。肉じゃがをつくって食べさせてくれる彼女・宮市莉央は普通で、あれは夢だったのか、と思う黒須。

しかし、穴から彼女のプライベートをのぞき見することをやめられず、再び彼女が笑いながら部屋で男をカッターナイフでめった刺しにする姿を見てしまいます。

殺人鬼の彼女と交際

繰り返される殺人・・・そしてとうとう、壁の穴が莉央に見つかり「宮市さんに殺される」とふるえますが、莉央は意外に冷静で「知らないふりをしてくれてたんだね」と言い、「わたし、つきあってもいいよ」と言い出します。

黒須と莉央は交際することになり、黒須は完全に恋に落ちます。そして大学まで彼女を迎えにいくと「あの冴えないやつが宮市さんの彼女」と、大学でも美人で人気の莉央を見て予備校で一緒だった山際が揶揄します。

そして山際は黒須と莉央のあとをつけて、莉央の殺人を見てしまいます。黒須は彼女になぜこんなことをするのか、と尋ねますが莉央は「殺しの理由なんてものは閉じたままの穴なのよ」と、黒須にはよくわからない哲学を語ります。

感想

異常な殺人鬼の莉央に、自殺願望がもともとある黒須は「彼女に殺されたい」という歪んだ愛を持ってしまいます。そして莉央もまた、「もうすぐわたしたちの愛は永遠になる」と黒須を最後の殺人にしよう、と思い定めるようになっていきます。

誰にもふたりの邪魔をさせない、という莉央のことを誰よりも受け入れ、認める黒須だからこそ、莉央は黒須に惹かれて愛してしまったのでしょう。

皮肉なことに、落ちこぼれて死のうとしていた黒須は、莉央の殺人を見てから以前よりも生きることに向き合うようになっていきます。

命があれば、死もそこにある。愛とは誰にも理解されないものだ、という結論に達する黒須。「穴」からのぞき見た彼女の秘密を見てしまったことにより、死から引き戻され、生きて愛することを知る。愛と死とが、交錯する漫画でした。

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