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漫画 失恋ショコラティエ ネタバレ感想 水城せとな

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漫画「失恋ショコラティエ水城せとな作」を読んで、最初は「イケメンショコラティエが失恋をきっかけに成長する系のお話かなあ」と思っていました。

主人公がなんとも形容しがたい男性で、あこがれの女性に何度でも騙される、というか妄想がやめられないタイプというか、微妙な気持ちになってしまうお話です。

「妖精さん」に恋をした爽太

 

爽太は高校時代から憧れていたサエコ先輩のことを、ずっと想い続けていました。まるで「妖精さん」のように美しくふわふわとしていて、サエコに近づくためならサエコの彼氏のパシリになることも厭わないほど、惚れ込んでいたのです。

イケメンなのに残念なほどの妄想系、軽いストーカー気質をもつ爽太でしたが、押し付けがましくない素直な性格のため害はありません。

長年ストーキング、もとい努力してきた甲斐があって、やっと1年前のクリスマス前にサエコと「お付き合い」をスタートできましたが・・・

 

あざと過ぎる恋愛強者・サエコ

 

つぎつぎと狙った男を落とすサエコは、男性目線で見るとかわいらしいほわほわした女の子。学生時代から常に学年一の男と付き合っては別れ、恋愛の勝ち組と言っていいほど。同性から見ると、計算高くてあざとい性格なのが見え見えで、嫌悪されてしまうタイプ。

男の人の「かわいい」と女の人の「かわいい」って、たしかに違うんですよね・・・。

女性が「なにあの女、超ぶりっ子!男に媚売って!!」と言われるようなタイプが逆に、「あの子めっちゃかわいい。笑顔もいいし。ほわわ〜ん」と、男性受けしやすいものです。そこがまた、女性陣の反感を買っています。

サエコがふりまく「女の子」の魅力に、爽太は振り回され続け、騙され続ける人生を歩むのです。

爽太の偉かったところ

 

爽太のめんどくさい性格にイラッと来ている読者も多いようですが、爽太にも偉いところがあります。

振られたあと、サエコへのストーカーになってしまいそうなほどの執着心を「仕事」という方向にエネルギー転化させ、ショコラティエとして成功したからです。

(ショコラティエになる動機すら、「サエコさんにいつか自分が作ったチョコを食べさせて美味しいと言わせるため」という)

想いのエネルギーを方向転換させただけで、仕事上で成功できた、という点ではたしかにサエコは爽太の幸運の女神だったのかもしれません。

騙され続け、最後までサエコラブ

 

爽太の恋心につけこんで、サエコは自分が必要なときにだけ爽太を利用してきました。旦那の暴力から逃れるためのただのシェルター代わりにして、用済みになったらポイ。最後までこの扱いです。

それでもひたすら「サエコ、サエコ」と言い続ける爽太が哀れを通り越して、

『あーた、いい加減この女に騙されているって気が付きなさいよっ』

と言いたくなります。

爽太は本当に「サエコ」を好きだったのか

爽太本人は、自分の妄想の中で育て上げてきた聖女「サエコ」像にとらわれているので、生身のサエコではなく空想の中のサエコに恋しているんじゃないのかな、という感じもしました。

そういう意味では爽太は「何度振っても、つきまとってくるうっとうしい男」という視点もありえます。に言い分があるとすれば、「あんたが好きなのはこの私じゃなくって、あんたの頭の中にいる私なんでしょ?」というところでしょうか。サエコは、ひょっとしたら男を振り回した悪女ではなく、理想の女性像を爽太に押し付けられた被害者、の可能性があります。

叶わない片思いに、思い込みの激しい爽太は恋に恋をしていたとも考えられます。

とは言え、失恋し続けるショコラティエ・・・まさにタイトル通りの『失恋ショコラティエ』なのが爽太でした。

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