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「雪人 YUKITO」ネタバレ感想 ハードボイルド漫画!

大沢在昌先生の小説「北の狩人」をコミカライズした作品「雪人 YUKITO」を読みました。

ハードボイルド小説を書く大沢在昌先生のファンなので、すごく嬉しかったです。

新宿鮫シリーズも大好きなんですが、こちらの作品も新宿を舞台にしており、欲望のうごめく街に秋田からやってきた秋田弁バリバリの青年・雪人が主人公です。

主人公がイケメンなので地方訛りがかえって素敵に感じます(笑)それにマタギの血をひいているハンターでもあります。

「雪人 YUKITO」ネタバレ

 
雪人は10年前にころされてしまったお父さんの事件を調べるために、新宿にやってきました。

お父さんは警察官でヤバイ組織に関わる事件に巻き込まれた・・・と雪人は考えたわけです。

どこかに父の事件のことを知る人間がいるはずだ、と縁故もなにもない新宿に単身乗り込んできて、田舎モノ特有(わたしも田舎だけど!)の人の信じやすさで、あっさりと美人局系の詐欺にひっかかってしまいます。

女子大生の杏とその友人で、彼をひっかけて連れて行った先はスナック。うまいこと詐欺られた雪人は高額な請求をされて「払えない」と突っぱねると、強面の人たちが出てくる、という寸法です。

そこで雪人は大立ち回りをして「田代組を知らないか」と、やっつけた強面たちに聞いて・・・何やら腹に一物ありそうな刑事のおじさんにその場をおさめてもらい、あっさり解決。

ところがそのあと杏の友人がヤバ系の人間に連れ去られて、杏と一緒に雪人は助けにいきます。お人好しなんですね〜。

ただの田舎者、と思われた雪人ですが実は彼は警察官だったんです!

そして、父親の事件につながっている人物を見つけて手がかりをつかみますが・・・

大沢在昌先生原作なので、ストーリーが最高におもしろいです。作画担当のもんでんあきこ先生の絵も、雪人がめっちゃかっこよく描かれているので、これは成功したコミカライズだな〜と思いました。

つづきは、試し読みからどうぞ。

健康で文化的な最低限度の生活 ネタバレ感想 柏木ハルコ

生活保護のケースワーカーを描いた漫画「健康で文化的な最低限度の生活/柏木ハルコ」は、人間の尊厳と最低限の生活を守る「生活保護」という制度について考えさせられる内容でした。

ヒロインはなんとなく役所に入った女の子・えみるが福祉事務所に配属されて、何もわからないままに仕事をはじめます。

性格はマイペースを通り越して空気よめない系でボーっとしている子。でも、目の前で起こっていることを素直に受け止める感性があります。

 

健康で文化的な最低限度の生活 ネタバレ

えみるは先輩にあたる半田に、生活保護受給者の担当分のファイルをわたされて、「この一冊にそれぞれの人生があります」と言われるんですね。サラリと言っていますが、生活保護のケースワーカーとして熟練の雰囲気があります。

家庭訪問をしにいくことはとても重要なことで、人の住まいや暮らしを見ると、訪問でしかわからない問題が見えてきます。

えみるは認知症にかかっていそうなおばあさんや小学生のお孫さんのいる家を訪ねたり、突然「これからしにます」と言う受給者からの電話を受け取ったりするなど、最初からどうしていいのかわからない状況。

さらに悪い事に、電話をしてきたその人は、本当に亡くなってしまいました。

それまでややぼんやりとして仕事していたえみるでしたが、その死をきっかけにえみるは生活保護のケースワーカーとして真剣に仕事に取り組むようになっていきます。

昨今では不正受給者が発覚するニュースがあいついでいて、国も財政負担の悪化でだんだん世の中全体が貧乏になってきているせいか、生活保護受給への視線は非常に厳しいです。

ギスギスした世の中になってきたなあ、と感じますが、まじめに働いていても食べていくのに必死でやっと、という状況の人たちが大半だと目線がきつくなるのも仕方ないですよね。

でも、この漫画では生活保護を本当に必要としている人たちがいて、保護を受けなければそのまま餓死してしまうだろう人たちや、病気などの理由により支援がなければ生きていけない人たちがいるということがわかります。

自分が健康で働けるうちはなんとでもいえますが、もしも自分が本当に支援を必要とする立場になってしまったら・・・と考えると一概に生活保護は不要、とは言えないはずです。

ホムンクルスの感想とネタバレ 山本英夫

「ホムンクルス/山本英夫」を読みましたが、正直言って、ストーリーが難解すぎてよくわからないお話でした。

あらすじ的には、ホームレスをしていた男性が、お金目当てで人体実験のトレパネーション手術をして第六感が芽生えたものの、「ホムンクルス」と呼ぶ人の精神の内側に隠れている真の姿?が見えるようになってしまうというものです。

ホムンクルスの感想とネタバレ

主人公の名越進は、自家用車に寝泊まりしているホームレスでしたが、とうとうお金がなくなってしまいます。ホームレス仲間もいますが、彼らとは一線をおいて接しており、決してスーツを脱ごうとしません。

そんなときに医学生・伊藤学がやってきて70万円で頭に穴をあける手術をさせてほしい、というのです。

伊藤の目的は、オカルト的なもので頭蓋骨に穴をあけることで脳に血流がめぐるようになり、赤ちゃんの頃のような脳を完全につかいこなせる状態にすることで、第六感や霊感が手に入るはずだということでした。

名越進にとっては超能力なんてどうでも良かったのですが、とにかくお金がほしくてその手術をしてしまいます。

そして街を歩くと、周りの人間たちがおかしなことに気づくのです。紙のようにペラペラになっているサラリーマンや、マジンガーっぽいロボットに乗っている子供に見えるヤーさん、体に6本の足が生えている女性などさまざまです。

人間が妖怪のように見えてしまっているわけですが、実際にそうなったわけではなく、手術によってその人の精神がそうした形に見えてくる、という状況です。名越進はじつは昔、好きな女性がいてあるきっかけにより破綻し、自分の顔を整形していました。

見た目じゃなくて中身を見てほしい、というトラウマを抱えていた名越進は、手に入れた特殊能力により、その人が本当に望んでいる姿を指摘して暴き、本当になりたい自分になるための手助けをするのです。

そうしているうちに、彼自身が抱えている精神的歪みを解消する方向に向かっていくわけですが、最後ですべての人々が「名越進」に見えてしまうあたりで「もうこのお話、難しすぎてわかんない・・・」と挫折しました。

なんとなく言いたいことは伝わってくる気がするんですが、人の精神的歪みを描いている漫画なんだなあ、というくらいしかわかりませんでした。でも、ストーリー的には十分面白かったです。