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「堕ちた果実」上野友行 ネタバレ感想

漫画「堕ちた果実」は、上野友行による新宿・歌舞伎町で生きる「夜の蝶」の姿をリアルに切り取った物語です。

都会に憧れていた少女が、きらびやかさとドロドロの闇が待つ夜の世界で、どのようにして堕ちていくのか、流れ作業のようにストーリーが運びます。

「堕ちた果実」のネタバレ感想

 

愛(めぐみ)は、「東京で暮らしたい!」という夢を抱いていた女の子でした。故郷を出て、都会に行けば何かワクワクするような新しいものに出会える・・・そんな漠然とした期待と憧れだけで上京し、やっと得た仕事はドラッグストアの店員。

田舎でののんびりした雰囲気で育った愛には、都会でのめまぐるしい仕事は合わず、鈍くさくていつも店長に怒鳴られる毎日。

現実は、想像していたよりも普通過ぎて、手取り16万の給料では都会ぐらしもキツイ。
「歌舞伎町の天使」とテレビで評判になっているキャバ嬢の姫香と偶然会って、愛は夜の世界にくりだします。新宿をふらふらしていると、スカウトマンに名刺をもらい、かわいいと言われて舞い上がる愛。

ひょっとしたら、自分もあの姫香ちゃんのように、きらびやかな世界に生きられるかもしれない・・・そんな考えが愛の脳裏に浮かび、仕事のつまらなさもあって、夜の店に入っていくのです。

都会は怖いところ

この漫画を読んで感じたのは、歌舞伎町を代表とする夜の街というのは、いろんな女性たちを飲み込んで成長している、怖いところだということです。

華やかで綺麗な女性たちが、にこやかに美しいドレスをまとって競っている姿だけを見ると、田舎の少女にはまぶしいばかりです。

しかし、その裏側は熾烈な女同士の嫉妬や陰謀がうずまき、金と欲で女性を搾り取ろうとする男たちの醜い姿があるのです。「大丈夫、君なら輝ける!」そんな甘い言葉にだまされる女の子の、なんと多いことか・・・

漫画「予告犯」ネタバレ感想 筒井哲也 

筒井哲也が描くサスペンススリラー漫画「予告犯」は、現代ならではの犯罪を描いたお話です。インターネットの動画投稿により、新聞紙で顔を覆った謎の男が犯行予告を繰り返す。サイバー犯罪に対して、立ち向かうのは・・・

「予告犯」ネタバレ

 

青少年によるインターネットを利用した犯罪が増加する中で立ち上げられた、警視庁サイバー犯罪対策課のキャリア捜査官・吉野絵里香は美人だが、超毒舌。

ゲームソフトの違法アップロードにより著作権侵害をし、ゲーム会社から被害総額450億円を請求されている中学生の容疑者宅に家宅捜索をする。

家宅捜索されてものんきにツイッターをしている容疑者・翔太に、自分が犯した罪を聞かせて教えてやる絵里香。俺はボランティアでゲームの宣伝をしてやったんだ、と開き直る彼に「勝手にゲームデータをぶっこ抜いて放流してんじゃねーよコノヤロー」と、情け容赦ない。

「あんたみたいなクズ共を片っ端からブタ箱にぶち込んで、そのねじくれた根性を叩きなおしてやりたい」と絵里香はにらみつけ、そして、ゲーム会社から巨額の損害賠償請求が来ることと、裁判所からの召喚状が届くと告げる。

 

動画投稿サイトの予告犯

「世の中には想像を絶するレベルのバカがいる」と、取材にきた報道陣に吐き捨てる絵里香。そんな絵里香のもとにサイバーフォースからインターネット動画投稿サイトにおかしな投稿がある、と報告が入る。

動画の内容は、集団食中毒事件を起こした食品加工会社に対して、反省の色がないから自分が制裁してやる、というものだった。投稿主はネットカフェから投稿しており、顔は新聞紙に覆われていた。

「シンブンシ」と名乗る顔も素性もわからない男のたわごと・・・とおもいきや、該当する食品加工会社が放火され大火事になる事件が起こる。

テレビ中継に映る野次馬の中に「シンブンシ」がおり、絵里香は「もうひとりのバカ」を捕まえるために動き出す。

 

「予告犯」の感想

 

警部補エリートの絵里香が追う「シンブンシ」は、ひとりではなく、複数犯による犯行でした。彼らに共通する表向きの目的は「歪んだ社会に制裁を加えること」であり、その旗印に共感するネットユーザーが増えて支持を集めていきます。

けれども彼らの本当の目的は社会に対する復讐ではなく、主犯格の「ある目的」によって行動を起こしていたのです。

「シンブンシ」たちの最後についてはもっと、社会へのドロドロした恨みの蓄積のようなものが出てくるかと予想していますが、思ったよりもあっさりしており、読後感は悪くなかったです。

 

浄霊奇譚 【梨田家の受難】ネタバレ感想 成毛厚子

成毛厚子作「浄霊奇譚 【梨田家の受難】」は、本人に自覚なしの霊的パワーがあるパパとその一家がつぎつぎに怪現象に襲われながらも浄霊をつづけるホラー漫画です。

浄霊奇譚 のネタバレ

 

格安なのに素敵な賃貸住宅を見つけて引っ越ししてきた、幼い二人の娘がいる夫婦。一家四人で引っ越しの片づけに大忙しです。その部屋には開かない窓があり、何か御札のようなものが貼ってありました。

不動産屋からの注意書きには『北側の窓は開け放しにしないように』とあり、脳天気なパパは空き巣でもあったんだろうな〜などと何も気づきません。御札をはがして窓をあけてしまい、海からの潮風が気持ちいい!と大喜びでしたが・・・

北側の窓に異変が

夜中にママは、北側の窓から何か音がするので眠れませんでした。翌朝には窓ガラスに手形のようなものがついており、まるで誰かがはいつくばって中をのぞいていたかのようなあとです。

気味が悪くなったママはこのことを管理人に知らせようとロビーにおりますが、そこで不気味なお地蔵様が飾られているケースを発見します。

「北側の窓をあけちゃいかんよ。海からやってくるんじゃ、大勢」と着物姿のおばあちゃんが現れ、さらに不気味です。

管理人さんに話を聞くと、地主さんが北側の窓をあけると霊の通り道になるから変な注意書きをしていた、と言います。

お隣のおばさんが何かに取り憑かれたかのように、ふらふらと北の窓から落ちていき、ママはまだ赤ちゃんの夢ちゃんを抱っこして逃げ出します。そして海のほうから水死した霊たちがやってきて取り囲まれてしまうのです。

霊能一家の浄霊

もうダメ・・・と絶対絶命の危機に、上の娘の由衣ちゃんがやってきて、「お地蔵様に夢ちゃんをのせて!」と言います。ママは何がなんやらわからず、言われたとおりにするとお地蔵様が光を放ち、霊達を浄化していったのです。

とりあえず、無事に霊達から守られたふたりでしたが・・・じつは一家はママをのぞいて不思議な霊を浄化する力があり、パパは無自覚でも霊を引き寄せてしまう体質なのでした。

何も感じないほど鈍いのに、そこにいるだけで霊を浄化してしまうパパ。由衣ちゃんはパパに似て力があり、それに気づいていますが、知らぬは本人ばかりなのがギャグにみえてきます。霊現象に遭遇してママばかり怖い思いをしているので、そこがかわいそうだなーと思いました。